八丁味噌の郷を訪ねて

和食には味噌、醤油、みりんなどの発酵食品が良く使われています。
知らず知らずのうちに普段の食事から発酵食品が摂れるのです。

発酵食品の大きなメリットの一つは新たな栄養素を生み出すという点です。

味噌は大豆や米、麦などを蒸したものに食塩と麹(こうじ)をまぜて発酵させた調味料です。

材料はこれだけですが、発酵によって、大豆にはない、またはあっても少量のアミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養的にさらに優れたものになっています。

酵素によって分解されたたんぱく質はアミノ酸になり、その中には必須アミノ酸9種類がすべて含まれています。その他ビタミン、ミネラル、食物繊維、炭水化物など多くの栄養素を含みます。ひとつの食品でこれほどたくさんの栄養を含むものは、他にはないのです。

味噌ってすごいですね。

そこで、味噌のことを知りたくて、大豆と塩だけで熟成させた八丁味噌で有名な岡崎カクキュー「八丁味噌の郷」を見学しました。

圧巻は、なんといっても一度に1600貫(6t)もの味噌を仕込む巨大な木桶。
新しいもので昭和初期から、古いものは天保年間(1830~44)から使い続けられているそうです。木桶も今では希少価値ですね。

八丁味噌は、大豆6トン 石3トン 約2年寝かせたもの。
桶の上で山をなす重石は、矢作川の河原の転石です。
これも八丁味噌にはなくてはならない重要な道具なんですね。
職人が、地震があっても崩れないほどしっかり積めるようになるまで、5年はかかると言われ、今でもこうして続いていることがとても感慨深いものでした。

改めて味噌ってすごい、日本の伝統食っていいなと思いました。